印 章 ○印の歴史 ○印鑑の種類 ○署名と記名捺印 ○実印と印鑑登録 
会社の印鑑 ○署名、印鑑をめぐるトラブル ○「書」の落款 ○豆知識
  落 款

 落款とは、落成款識(らくせいかんし)という言葉を略したもので、「落成」は 書画の完成を意味し、「款識」は署名・捺印のことを表しています。
 しかし、中国でも日本でも、古くは落款を入れる習慣はありませんでした。
 落款を入れることが盛んになったのは、元代(13〜14世紀)で、『芥子園画伝(かいしえんがでん)』には「元末期から明初期の倪雲林が書画に巧みで、詩や跋を入れたことから流行していった」と記されています。
  日本における落款

 日本で書に落款を入れることが定着したのは、近代になってからのことです。
 落款は、誰が書いた作品かを示すものですが、日本では長らく書に作品としての意識を持っていなかったため、写本や色紙類にも落款を入れる習慣はありませんでした。しかし、日明貿易が盛んに行われた室町時代に、宋・元・明の書風が伝えられ、それらの書跡に印が押してあるのを見て、日本の禅僧たちが真似るようになったといわれています。
 このように墨跡からはじまり、しだいに漢字作品には落款が入れられるようになりましたが、かな作品は少々遅れて落款を入れる習慣がはじまったようです。
 江戸時代に活躍した能書家の作品には、おおむね落款が入っています。たとえば、本阿弥光悦の扇面や色紙、また、江戸中期の良寛の書にも捺印や署名が見られます。このように、日本における落款の歴史は意外と浅いものなのです。
  雅 号

 雅号とは、芸術家・文人・学者らが、自分の世俗的な名前や身分を離れて風雅を楽しむためにつけた名前のことです。つけ方に決まり事はありませんが、ゆかりのある地名・信条・趣味などからつけたり、また、師匠の一字をいただくということが一般的なようです。また、本名の読みを変えて雅号とする場合もあります。
  堂号・室号

 堂号・室号とは、自分の書斎や家・山荘などにつけた、趣深い名前のことです。
基本的には自分の好きな名前をつければよいのですが、家屋の構えによってある程度は決まってくるものです。堂号・室号によく使われる用語と意味は次のようになります。

(部屋・書斎の一般的な語)
堂…部屋・表座敷 斎…部屋・書斎
室…部屋・住居・家

(自宅を謙遜して指す語)
庵…草屋・いおり 亭…あばら家
居…住居・居所 屋…屋根、転じて住みか
軒…のき・ひさし、転じて家
洞…洞穴、転じて家

(広い屋敷などを指す語)
苑・園…垣根のない田舎の広い家
閣…二階建ての立派な家
楼…二階建て以上の立派な家
荘…下屋敷  館…屋敷

  書に押す印の種類

落款印 落款にだけ用いられる印で、本名を刻した印と雅号を刻した印があります。
引首印 作品の右上に押す印のことで、関防印(冠冒印)ともいいます。作品の風雅を高めるために押すもので、必ず押さなくてはならないというものではありません。
長方形や楕円形の成語印が多く用いられます。
押脚印 作品の右下(近年は左下もある)に押す印。堂号印・成語印や遊印が用いられます。
堂号印 堂号・室名などを刻したもの。落款印としても、引首印や押脚印としても用いられます。
成語印 自分を諌める語、人生や自然、美についての語、幸福を求める語などの成語が刻してある印。引首印や押脚印として用いられます。
遊 印 成語印よりもさらに自由な語句を刻したものや、文字以外を刻した肖形印などがあります。押す場所もとくに決まりはなく、本文中の弱いところを補ったり、強調する役目があります。
肖形印 遊印の一種で、文字ではなく鳥獣などの形を模して彫ってあるもの。

  朱文の印・白文の印

 文字の部分が浮き上がるように彫ってあり、押したときに朱の文字が現れるのが「朱文」、逆に文字の部分を彫っていて、押したときに白く文字が現れるのが「白文」です。
 古来より、印は白文を正式とする伝統があり、署名の下に二顆の印を押す場合、白文を上に、朱文を下に押すのが決まりとなっています。そして、同じ理由から、自分の本名を刻す印は白文で、雅号をこくす雅号印は朱文でつくるのが原則です。
  印の大きさの目安
         
漢字書

作品の大きさ (単位:cm)
全紙    (136.0×70.0)
聯落    (136.0×52.5)
半切    (136.0×35.0)
半切1/2  ( 68.0×35.0)

印のサイズ目安(単位:cm角)
八分角〜一寸角 (2.4〜3.0)
七分角〜八分角 (2.1〜2.4) 
六分角〜八分角 (1.8〜2.4)
五分角〜六分角 (1.5〜1.8)

かな書

作品の大きさ (単位:cm)
全紙    (136.0×70.0)
聯落    (136.0×52.5)
半切    (136.0×35.0)
全懐紙   ( 48.0×36.0)
半懐紙   ( 36.0×24.0)
色紙    ( 27.0×24.0)
短冊     (36.0× 6.0)

 

印のサイズ目安(単位:cm角)
七分角〜一寸角 (2.1〜3.0)
六分角〜八分角 (1.8〜2.4)
六分角〜八分角 (1.8〜2.4)
二分角〜五分角 (0.6〜1.5)
二分角〜四分角 (0.6〜1.2)
二分角〜四分角 (0.6〜1.2)
一分角〜三分角 (0.3〜0.9)